「ビタミンB群の一つ」と聞いても、ちょっとピンとこないかもしれませんが、ナイアシンは私たちの体にとってとっても大切な栄養素。
肌のトラブルや疲れやすさ、さらには記憶力にも関係しているかもしれないってご存じでしたか?
今回は、ナイアシンの働きや不足するとどうなるのか、そして近年注目されている新しい作用(さよう)まで、やさしくご紹介します!
ナイアシンってどんな栄養素?
ナイアシンは、「ニコチン酸」と「ニコチンアミド」という2つの成分の合わせたもので、水に溶けるビタミンB群の一つです。
体の中では、エネルギーを作るのに使われたり、お酒の分解をサポートをしたりと、見えないところで大活躍しています。
ナイアシンが足りないとどうなるの?
ナイアシンが極端(きょくたん)に不足すると、「ペラグラ」と呼ばれる病気になることがあります。
この病気は、皮膚炎(ひふえん)・下痢・認知機能(にんちきのう)の低下(いわゆるボーっとする感じ)などの症状があります。
現代ではあまり聞かない病気ですが、栄養のかたよった食事や、アルコールのとりすぎが原因で起こることがあります。
どうやって働くの?
ナイアシンは体の中で「NAD(エヌエーディー)」や「NADP(エヌエーディーピー)」というものに変わり、エネルギーを生み出したり、酵素(こうそ)の働きを助けたりします。
たとえば、激しい運動をしたときにできる乳酸(にゅうさん)を分解するときや、アルコールを分解するときにもナイアシンは必要です。
さらに、NADPは薬の代謝にも関わっていて、体に入ってきた薬を分解してくれる酵素と一緒に働きます。
つまり、ナイアシンは私たちが薬を安全に使うためにも役立っているんです。
話題の“サーチュイン”ってなに?
最近注目されているのが、「サーチュイン」という酵素(こうそ)。
これもナイアシンから作られるNADがないと働けません。
サーチュインは、細胞の中のたんぱく質の“スイッチ”のようなものを調整して、遺伝子の働きをコントロールしたり、エネルギーを効率よく使えるようにしてくれたりします。
動物実験では、サーチュインがしっかり働かないと記憶力が落ちたり、老化(ろうか)が早まったりするという研究結果もあるんです。
さらには、アルツハイマーの進行を抑える可能性があるともいわれていて、現在、サーチュインを活性化(かっせいか)させる薬の研究も進められています。
ナイアシンをたくさんとれば健康になれる?
「それならナイアシンをたくさんとればいいのでは?」と思ってしまいそうですが、ちょっと待ってください。
ナイアシンは摂りすぎると体に害を及ぼす可能性があります。例えば、
- 肌や目が黄色っぽくなる(黄疸(おうだん))
- お腹のムカムカ
- かすんで見える(霧視(むし))
- 血糖値(けっとうち)が上がる
- 痛風(つうふう)がひどくなる
など、、、
なので、サプリメントなどで大量にとるのはおすすめできません。
普段の食事で、たらこ、かつお、レバー、らっかせい(ピーナッツ)などをバランスよく食べていれば、自然と必要な量はとれるのでご安心を。
【まとめ】
ナイアシンは、エネルギーづくりや酵素の働きを助けるだけでなく、最近ではアンチエイジングや記憶力との関係にも注目が集まっているビタミンです。
食事からしっかりと取り入れて、”サーチュイン”も味方につけながら、毎日を元気に過ごしていきましょう!
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